Guアタッチメントの実験と結果
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ハンドパンに詳しい方はすでにご存じかと思いますが、
こと低音が入っているハンドパンに付いてきがちなGuアタッチメント(仮称)。
それについてのお話です。
さっさと結果を知りたい方は以下動画を見てください。
~Guアタッチメントをいれなければならない理由~
それはズバリ、ヘルムホルツ共鳴の制御だと考えます。
※ハンドパンにおけるヘルムホルツ共鳴に関しては、へいしょー氏のこちらの記事が分かりやすいです。
おそらくハンドパンの音盤を叩いた際には大なり小なりのヘルムホルツ共鳴がGuポッドより起こっていると思います。
そのヘルムホルツ共鳴音が、低音になればなるほど無視できないほどの音量になってくるという現象が起きます。
これはB2 Onoleoを試作した時に強く感じました。
先日製作が終わったD CelticにはC3が入っているのですがこの音でもそれを感じたので、だいたいこの付近からヘルムホルツ共鳴の対策を考えなければならないかもしれません。
~製作したGuアタッチメント~
使用しているパイプは塩ビ管のVU65サイズ(外形=76mm,内径=71mm)
パイプの長さはシェルの高さの約半分の130mmのものと、100mmのものを準備しました。
~ヘルムホルツ共鳴音の測定~
今回はB2 Onoleoを実験台にして測定しました。
測定したのは以下の三項目です。
①B2 Onoleoのヘルムホルツ共鳴音
②B2アタック時に併発するヘルムホルツ共鳴音(Guアタッチメント無し)
③B2アタック時に併発するヘルムホルツ共鳴音(Guアタッチメント130mm)
④B2アタック時に併発するヘルムホルツ共鳴音(Guアタッチメント100mm)
では見ていきます。
①B2 Onoleoのヘルムホルツ共鳴音
Guポッドを掌でぼわんぼわんした時の音を測定しました。
Gu径は約82mmです。
E2より少し高い音が出ていました。
②B2アタック時に併発するヘルムホルツ共鳴音(Guアタッチメント無し)
次にB2アタック時のヘルムホルツ共鳴音。
アタック時の音量ピーク付近を見てみます。
①の測定で出たE2が併発するかと思いましたがD2が出ています。
そして気になったのがやはり音量。
右隣のピークがB2なのですが、B2の80dbに対してD2が77dbも出ています。
さらにその二音がオクターブ内にあるということで、音がぶつかって気になるというわけです。
③B2アタック時に併発するヘルムホルツ共鳴音(Guアタッチメント130mm)
まず実際に耳で聴いたときの感想ですが、ほぼほぼヘルムホルツ共鳴音を感じなくなりました。
B2のアタック音のみが聞こえ、雑味がなくなった印象です。
では測定結果見ていきましょう。
ヘルムホルツ共鳴音がE1まで下がりました。iPhone8のマイクが果たしてこの音域まで判別できているか怪しいところですが、人間の耳ではピッチの判別が難しい音域までは下がっているのではなかろうかと思います。
そして問題だった音量ですが、約65dbまで減衰しています。これはなかなかの効きです。
④B2アタック時に併発するヘルムホルツ共鳴音(Guアタッチメント100mm)
F#1あたりが出ています。※これも合っているか怪しいですが。
音量は130mmよりちょいプラスの67db程度。
ただ実際に耳で聴いた感じだと、アタッチメント無しに比べたら良くはなっていますが130mmの時と比べてだいぶヘルムホルツ共鳴音が目立ってしまいました。
原因はおそらく共鳴音のピッチ(音高)だと思われます。
~その他の効果~
あらかじめ予想はついていたのですが、B4の音揺れ問題が解消されました。
先日スポンジで試した時よりも効きが良かったです。
~まとめ~
ある程度結果は予測できていましたが、予想以上の効果で満足でした。
パイプの長さなどまだまだ検証のし甲斐があるので、引き続きいろいろと実験していきたいです。
ちなみに、先日お借りしたSonobe F Mysticにも試してみましたが、こちらでは逆効果でした。
Dingの打撃音がやたら目立つようになってしまいました。
あくまでC3以下の低音が入ったハンドパンで効果が期待できるかどうかといったところでしょう。